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''140204 子どもはみんな個性的 ハッピー♪当事者ライフ 
~自分らしく生きるために大切なこと~投稿者:岸野みさを''

Ave Verum - Mormon Tabernacle Choir
 
八王子市生涯学習センター主催講演会(2014年1月29日・水)
 
子どもはみんな個性的 ハッピー♪当事者ライフ
~自分らしく生きるために大切なこと~  
             *オリジナル版のPDFがダウンロードできます⇒
 
 
投稿者:岸野みさを(町田ステーク広報スペシャリスト)
 
 
第3回八王子市生涯学習センター主催            2014年1月29日(水)
子どもはみんな個性的
ハッピー♪当事者ライフ ~自分らしく生きるために大切なこと~

画像の説明

講師 平井佑典(ひらい ゆうすけ)27歳

ピアサポートコーディネーター

仕事 児童デイサービス施設勤務

主な発表 「授業困難と相談と配慮依 
頼のやり取りにまつわる当事者の関
係のエピソード」(障害学会)

協力 東京家政大学(講演)、国立障 
 害リハビリテーションセンター(ピア
サポート)など

団体名 発達障害個別支援研究所 
HIRAI OFFICE

活動 講演会開催、ピアサポート研究、
   交流会運営

 
司会者の紹介通り平井佑典先生は「長身、イケメン」の若い好青年でした。
スライドショーを中心に「自分らしく生きるために大切なこと」を、時には若者言葉を使ってフレンドリーに話されました。聴衆の30代から40代の母親たちは友になったかのような気分だったことでしょう。

以下は講演会からの抜粋です。
発達障害のアスペルガー症候群だったであろうと言われている、20世紀を代表する天才物理学者アルバート・アインシュタインのエピソードを話された時は会場に爆笑の渦が広がりました。
 「アインシュタインは毎朝髭を剃るのに、洗濯用石鹸を使うので、奥さんが洗顔用石鹸を使うように言うと『そんな難しいこと覚えられるか』と」

 「私はADHD(注意欠陥多動性障害)と19歳の時診断されました。
それよりも先に妹が中学生になって不登校になり、発達障害だと診断され
当時は家庭も荒れていて、どのように発達障害の妹と関わり、家族関係を改善していけばいいのかと思っていた頃です」

「米国のカウンセラーであるサリ・ソルデンの書いたノンフィクション書籍『片づけられない女たち』を読んで『自分に当てはまる!?』と気がつきました。この本は全米でベストセラーになりました」

「発達障害支援法が定められて10年が経ちます。早期発見と早期支援が重要になりますが、学級の6.3%は発達障害だと言われていますので、ここにいらっしゃる皆さん約60名の内の6.3%というイメージになります」

平井先生は発達障害とは「発達の仕方に凸凹がある生まれつきの脳機能の障害であり、一生涯付き合っていかなければならないもの」と話されました。
確かにこの「生まれつき」が理解されないと本人や親の責任かのような誤解が広がっていき当事者に更なる苦痛を負わせることになる、と思いました。
画像の説明
「小学校時代は多動でいつも怒られていましたが、野球が面白く友達と遊べるので学校は楽しいところでした。中学に進学すると自分の意識が変わって自分が浮いている、なぜ?と思うようになって次第に自分の居場所が無くなりました」

 平井先生は授業に適応しようとして意識して行ったことがあると言って、司会者にその動作の再現をやってもらいました。

集中力が5分位しか続かないので、どうにか自分をがまんさせようとして、まず視界を遮るために目をつぶる。色々な音が入ってくるので今度は両手で耳をふさぐ、そして机の上にうつ伏せになる。こうした格好になると、
教師がやってきて「平井、寝ているのか?」「いいえ、苦しくなってくるのです」「バカ言うんじゃない。君だけじゃないか、みんなちゃんとやっている。シャキットしろ!」となって、意識して適応しようとしているのに、責められる、怒られるとなれば、これ以上自分の気持ちが伝わることは無いのだ、と思ったそうです。

ADHDの脳がどのように働くのか説明してくれました。
「今この会場に黒い髪飾りの人が居ます。すると黒い服を着ている何人かの人たちに意識がいきます。黒い服を着ていて白いマスクをしている人がいます。すると昨日の職場の飲み会に白いマスクをかけてきた人がいました、とこういう風に次から次へと外からの刺激で気が散り、無関係な考えが浮かんできて、電車を降りることが出来なくなったことがあります。白昼夢のようになるのです。今はこうして自分が最初にやっていた事に戻ってくることができます。

「ADHDは注意力が散漫ですが、児童デイサービスで危険な所に行きそうな児童にすぐ気が付きますし、昨日の飲み会でも空っぽのコップにすぐ気が付いて、『どうぞ』となりました。気が散るのですが気がきく障害とも言えるのです」(笑)

発達障害の社会的価値のところで、ライターは最初障害者用のツールとして開発され、マッチを擦ることが出来ない人のためのもので、ストローも同じようにコップを持てない人のためだったと言われました。今では普遍的なツールとして広がっていると話されました。
画像の説明
社会でどのように生きればいいのか、自分の特性を伸ばす自助努力が大切であるけれども、自分のままでいいという結論に達し、上記の4、5、6、の本人がやったものは、結果はどうであれ、理解してほしいと言われました。

質疑応答の中では、小学校5年生のお子さんが「自分は障害者なのか?」
と思い始めているので行ってほしいと依頼されて、教育研修の実習生という名目で参加したとき「平井さんみたいな大人がいるんだから大丈夫、平井さんも障害者?」と言われたことを話されました。

また、質疑応答の中で「一行ずつ読み進める事ができないと述べられた読書はどのようにされたのですか?」という質問が出ました。
私(筆者)が正確にまとめきれないために、平井先生ご本人が下記の文章をご投稿してくださいました。

本の中の一行を読み切る前に、視線が飛んでしまう。同じページの別の単語から読み始めてしまったり、本そのものから意識が外れ、何を読んでいたかわからなくなり、混乱することが多い。そこで、自分の障害特性に対して取り組む中では、視線や意識が飛んでも、「今、どこを読んでいるのか」に戻れるように、訓練を続けた。たとえば、論説文ならば最小限のキーセンテンスさえ押さえれば、筆者の主張を読み取ることが可能であることなどに気付いていく。つまり、気が散らないようにするのではなく、気が散っても大丈夫なようにする姿勢を大切に考える。結果、読書で不自由を感じにくくなり、満足をしている。

ノートについて。
幼少期から、一文字を書いている最中に気が散り、成長しても一文程度までしか注意を持続できなかった。そこで、「一文なら書ける」ことに着目し、記号や論理、図解を駆使して、それでもノートとして機能するように訓練を続けた。簡略化されたオリジナル図解ノートは、(写真)自分の短い集中力でも十分に実生活で使えるものであり、達成の自信を得た。しかし、それ以上に、そのノートスタイルが、司会など周りの人にも役に立つ場面を経験するにつれ、自分の特性と向きあう結果の最上の成果は、それが他者の役に立つ時だ、との信念を持つにいたる。そこに、発達障害と言われる、極端な性質を持つ人たちの、自分らしい生き方のヒントがあるのではないだろうか。

このノートを考案完成するのに2年の歳月がかかったと話されました。

質疑応答も含めて講演会で強く印象に残ったことは、障害を持つ当事者に向けて以下の事柄について訴えていたことです。

1:生きづらさの中で、自分の障害を認知する。
2:認知特性に合わせて、あきらめずに、自分と向き合い続ける自助努力。
3:自分らしい生き方を追求するには「やってみようと直感したこと」をやってみる。
4:「こうじゃなきゃいけない」に縛られることなく、生まれ持ったままで
社会に貢献できる、他者の役に立てる道を模索する。

まとめると、上の図表にある「佑典8カ条」になります。

私(筆者)は末日聖徒イエス・キリスト教会の会員ですが、平井先生が述べられている「他者の役に立つこと」について神の教えと一致する概念であることに気づきました。

「各自が御霊(みたま)の現れを賜っているのは全体の益になるためである。~」(コリント人への第一の手紙12:4―11、モルモン書モロナイ書10:8-18)
僅かに正常に作動する肉体上の機能から、自立して社会参加するに至るまでに自己を改革し成長させていく生命力は、正に「御霊(みたま)」の働きであると言うことが出来ます。
それは当然のような顔をして不平不満を呟きながら、ただ時に運ばれて生きている私には想像ができない神聖な領域であると思いました。

当事者感覚が如何なるものか、という疑似体験のワークショップを開かれているそうです。
「妊婦さんが10円玉を拾うのがどんなに大変かをその恰好をして体験してみて初めて分かりました」と話されました。

Dr、(と言わせてください)平井佑典は若くして当事者とその家族を導き救うために、希望の光と成るべくして「苦難の炉の中から選ばれた(モルモン書第2ニーファイ20:10)偉大な霊」であり、着実に実体社会の中の必要性を満たしていく重要な存在であることを証致します。

そしてその活動の輪が波のように大きく広がって行くことによって、世の人々があたかも疑似体験をするかのように、障害者というレッテルや、くくりをしない社会、平井先生の目指す「個性を楽しむ社会」の実現が姿を現してくることでしょう。

ありがとうございました。
 
 
 

  • いつも貴重な資料を有難うございます。臨場感のある記事ですね。参考になりました。 -- 昼寝ネコ 2014-02-04 (火) 21:16:20
  • 平井先生
    先生の体験談を読ませて頂いた時、私自身にも類似点が多く、共感を覚えました!
    私は、現在、町田市の小学校の支援学級で働いています。
    私も、保護者と面談をする時、自分自身、の珍体験談を話します。それを聞いた保護者の方はとてもホッとした顔をします。
    ですから、やはり平井先生のような方が支援員として働かれることは、とても意義のあることだと思います。
    私も典型的なADHDです。じっとしていられません。一斉授業にはついて行けませんでした。
    しょっちゅう、注意されてきました。
    しかし、この体験やこの特質を活かして今の仕事ができています。
    特殊能力をもつ人間としてお互い頑張っていきましょうね! -- 情熱ランナー 2014-02-05 (水) 20:54:27
  • 大変興味深い内容でした。集中して本が読めない事や勉強が続かない事など自分にもかなり合致する事があり私も障害者なのかも知れません。カミングアウトという意味ではなくそのような自分を認めてより注意深く謙虚に生きるヒントになりました。 -- コニー 2014-02-05 (水) 21:12:16
  • 情熱ランナー様
    支援学級の先生なんですね!
    ご自身の体験や性質を活かして仕事をされているとのこと、素敵です!
    珍体験談も面白そうですね~
    頑張りましょう♪ -- 平井佑典 2014-02-05 (水) 23:28:02
  • コニー様
    自己受容って大切だけど、難しいことですよね。
    社会の中で、人と関わり、何かに気付き、それを自分に問いかけ…の繰り返し。
    私の中では、ティッシュを重ねるみたいにゆっくり積み上げて、はじめて少~し「自分らしいもの」の厚みが出てくるようなイメージです。
    「自分を認めて注意深く謙虚に生きるヒントになりました」とは過分なお言葉ですが、励みになります。ありがとうございます。 -- 平井佑典 2014-02-05 (水) 23:45:19
  • ●父母又は場合により法定保護者は、児童の養育及び発達について第一義的な責任を有する。(児童の権利に関する条約18条第一項)

    ●親権を行う者は、子の監護及び教育をする権利を有し、義務を負う。(民法820条)

    自然権、人権、国民の三大義務等、社会生活を考える機会となりました。 -- ペパーミント 2014-02-06 (木) 08:47:00
  • この記事、多くの人に読んで欲しいと思いました。 ADHDの子供に対しての認識と理解が
    大きく変わりました。又、取材をされた岸野様の文章は、読む者を、その交流会の場所に
    参加してるような、明解さと優しさで素敵です。平井様のお話で、多くの方の理解が広がってますね。 -- あんずジャム 2014-02-06 (木) 16:59:56
  • 岸野みさをさま
    レポート記事興味深く読ませていただきました。子供達と話したら、発達障害って自分にも当てはまるとか、我が家は皆灰色だ、お母さんも変わってる、お父さんもちょっと変わってるけど、悪意がないし純粋だよ、という意見がでました。夫は人間皆障害者との持論をを持ってましたし、私もバリアフリーなので、大変だけど個性的で今まできてしまいました。別の視点から考える良い機会となりました。
    -- としえ 2014-02-06 (木) 18:23:33
  • としえさま
    ご家族の団欒の話題になったことが嬉しいです。暖かい親子関係が伝わってきます。どうぞ周りの他の人たちにもお知らせください。平井佑典先生への倍返し(流行語)になることでしょう。 -- 岸野みさを 2014-02-06 (木) 23:25:22
  • あんずジャムさま
    お褒め頂きありがとうございます。この平井佑典先生のメッセージが、途方に暮れている人々に届きますようにと祈りながら、キッチンペーパーを積み重ねるような努力をしていきます。平井先生の「ティッシュを重ねるみたいにゆっくり積み上げていく」努力に衝撃を受けて涙が出そうになりました。 -- 岸野みさを 2014-02-06 (木) 23:43:20
  • 平井佑典さま
    発達障害への助言「佑典・8カ条」は大変参考になります。
    発達障害だけでなく、世の多くの人々にも役立つことでしょう。
    --NY 2014-02-07 (金) 17:38:51
  • 平井先生 
     ありがとうございました。このような障害ではないかと思われるお子さんをお持ちの方が、難しいのは、まだまだこのようなことを認めたくないということで、対応が遅れたり、その子の個性をうまく導いてあげることができないという例を見ています。もっともっと正しく知っていただくことが必要だと感じています。
     私の信仰では、人は生まれる前に神の子として神とともに住んでいました。そして、この世に生を受けましたが、ただ、生まれるときに、それぞれ別の上着を着て生まれてきたと思っています。ある方は、このような障害を持ち、ある人は身体的な障害や病気などの上着です。でも、それでも神様の子供という特質は変わっていないのです。皆、愛されるべき神様の子なのです。その上着を自分にぴったりさせるための努力は大変だと思います。先生が努力されたように。でも、私たちは、その方たちの内なる神の子としての特質を思いつつ、上着がその方にあっていくように助けるというか理解する必要があると思います。私の力は小さいですが、先生のこのような話を周りの人に伝えていきたいと思います。本当にありがとうございました。 -- 丸山 2014-02-09 (日) 12:26:05
  • とても興味深く読ませていただきました。
    ADHDの脳がどのように働くのかなど、考えてもみなかったです。
    子供に対しての認識と理解が大きく変わりました。
    また、
    自分自身の弱さを受け入れる勇気を得られたようにも感じています。 -- みゆき 2014-02-09 (日) 13:37:44
  • 私も平井さんの講演会に行きました。 彼のような人がいるって、発達障がいを悩む当事者、そんな凸凹の子どもを育てるママたちの希望になるなと思いました。

    講演会後、彼とランチをご一緒しお話しました。
    いくつか質問したのですが、「お母さんや先生たちから言われて傷ついた言葉っていくつか教えてください。」と聞くと、

    「○○くんにできるのに、何であなたにはできないのか? みんなやれているんだからなんであなたにもできるでしょう。何て言葉かな!」

    私はショックでした。私は息子に同じような言葉を言っていました。
    私自身、息子の発達障がいを理解しているのに、平井さんが傷ついてしまった同じ言葉で息子に言っている。 これは反省すべき点だと思いました。

    人と人を通して自尊感情を高め合う、これが一番大切だなと思います。
    できないこと苦手なところに目を向けるのではなく、
    得意、好き、頑張れそうなところに目を向けて励ます。
    職場でも、大人だって、これがし合えたら素敵だと思います。
    私自身そうありたいです。
    -- ゆりか 2014-02-10 (月) 09:10:53
  • 平井佑典様
    拝読しました。中学時代の担任の先生も発達障碍に対する知識さえあれば対処も変わって、平井さまをそこまで追い詰めることは無かったのでないかと残念に思います。人々が、発達障碍について学び、知ることによって少しずつ社会環境を改善していくことができ、それには平井さまの役割がとても大きいことを感じました。ありがとうございました。
    -- カントリーブルー 2014-02-10 (月) 09:31:15
  • 岸野様
    レポートありがとうございました。とてもわかりやすかったです。

    平井様
    「集中力が5分位しか続かないので…」というエピソードが心に残りました。思えば、人が集中しようとしているかどうかは、他人からはわからないものです。発達障害の方の具体的な行動や気持ちを知ることができてとても役に立ちました。ありがというございました。 -- グレッグル 2014-02-10 (月) 15:01:30
  • 私は小学6年です。私の学校にも発達障害の子がいます。母が平井先生のお話を教えてくれたので勉強になりました。 -- フォッコ 2014-02-10 (月) 15:05:29
  • 平井佑典様
    モルモンチャンネルには自閉症の子の動画がありますのでご覧下さい。
    ハイラムお兄ちゃん - YouTube で検索できます。
    -- モロナイ 2014-02-10 (月) 20:37:29
  • グレッグル様
    大体人が文章を読むときは一回読みなので分かりやすく書かなくては、と心がけてはいるものの、つい自己本位になってしまいがちです。褒めて頂いてありがとうございました。 -- 岸野みさを 2014-02-11 (火) 06:26:00
  •  わたしも時々自分の都合で人と接しています、話しを聞くことや言葉かけをするときに「受け入れる」ということができていないことに気づきます。なかなか改善できていない弱点です。一人の個性を認めてあげることの難しさがあります。全体の流れの中で勝手な評価(きめつけ)をしてしまいます。講師の平井先生の並々ならぬ努力の跡がうかがわれます。佑典8か条「発達障害の特性を楽しみ、伸ばし、生活に役立たせるコツ」は組織の中で活用できる大切なポイントと思います。個人的にも成長のために活かせる教えであると共感します。
    講演のリポートがとてもよくできていることに敬意をもちつつ読ませていただきました。
    ありがとうございます。 -- 八木 2014-02-11 (火) 10:42:31
  • 平井様

    ご自身の体験を読んで発達障害をもつ方がどのような思考をしているのかがよくわかり大変に勉強になりました。本当にありがとうございます。

    先生のお話の中で「一行ずつ読み進められない…」という部分、特に気になりました。
    そのお話を読んである児童の行動が頭に浮かんだからです。
    その子は私が担任をしている4年生の学級におります。
    黒板に書かれた文字をノートに写せないのです。
    ある日「どこから書いたらよいのか分からない…」とボソッと話す声を聞いて、これはしっかり支援しないといけないと感じました。黒板に黄色のマグネットで一行ずつ印を付けて書きとらせるようにしたり、場合によっては板書内容をプリントにしたりして対応しています。
    さらに、その子は一斉に指導している私の声はほとんど頭に残らないのです。一対一で話をする分には大丈夫なのですが、大勢に対して話した内容は無意識に聞き飛ばしているような感じなのです。みんなが次の作業に取り掛かっているのに、その子だけボーっと一点を見つめていたり、手遊びをしていたりしてます。
    私はその子になんらかの発達障害があると見ていますが、平井先生はどうお考えになりますか?ご意見を伺えたらうれしいです。
    渡辺
    -- 渡辺 2014-02-11 (火) 22:36:34
  • みなさん、色々と熱心なコメントありがとうございます。いずれも読ませていただき、とても励みになっておりますが、このコメントでは、直接、学級での児童について、ご質問頂いている渡辺様へ。

    その子のために熱心に工夫されているとのこと素晴らしい先生と感じます。
    おっしゃる通りに可能性はあるかもしれませんね。ただ、コメント欄のみの情報では、すみません、なんとも。。。

    代わりにというか、ご参考までに、我が家の妹の診断のきっかけを紹介します。
    (今回の講演でも触れたので、もし、渡辺さんがご参加されてたら恐縮ですが)

    妹の診断は小学校六年生の時、担任の先生から「発達障害の可能性があるかもしれません」と言われてからです。母が聞き、その後、病院で診断の流れです。さらに1年後、私も診断されてます。

    当時、妹も学級への適応に苦労していたのですが、まさか「障害がある」とは、家族は思わない。発達障害そのものも知らなかったです。だから、学校の先生が可能性を指摘してくださったというのは、思い返せば、とてもよかったことです。

    ただ、一方で、家族(とくに母)のショックも非常に大きかったです。受け入れるまでに、何年もかかりました。

    混乱する家族の中、私は、自身の困難もあり、岸野さんにもレポートして頂いたように「自分らしい生き方」を模索する決意とともに、「発達障害」に絶望する家族のためにも「同じ発達障害の診断名を持つ私が成長していく」⇒「親も安心する。妹も希望を持つ。」ということも考えていたので、むしろ診断されることが必要でした。

    結果として「発達障害だろうとなかろうと、まず自分と向き合う」という姿勢を大切に考えるようになり、その過程で起こる様々な良い変化が、障害に対しての家族の受け入れと良好な関係にもつながっています。

    そういった経緯がありますので、渡辺さんが、担任の先生としてしっかり児童生徒と接している姿は、本当に素晴らしいと思います。もし、発達障害があるとすれば、その子やご家族の後の人生にも大きな影響があるかもしれません。家族としては、わからない部分はたくさんあります。

    しかし、まだまだ発達障害は、社会的に理解や受け入れの難しい部分もたくさんあり、また、その子に発達障害があるか、ないかは、デリケートな問題と思います。ですので、私個人の意見としましては、その子の様子や親御さんのお話しと合わせて、じっくり見ていくのが良いかと思います。また、発達障害の診断は医療機関の領域でもありますので、その子やご家族が必要としている時に、あらためて担任の先生としてお力になって頂ければと思います。よろしくお願いいたします。

    長文、失礼しました。

    *なお、思った以上にたくさんのコメントを頂き、本当に嬉しいやら恐縮やら、なのですが、質問などは、中々、お返しできないかもしれません。今後も活動を続けていく所存ですので、また、そういったご機会の中でお話し出来ればと思います。
    ではでは~。 -- 平井佑典 2014-02-13 (木) 00:33:10
  • 平井佑典様
    返信ありがとうございました。
    私の信じている福音の教えと同じ原則を平井様からお伺いすることが出来て、大変驚ろきながらも大きな喜びを感じました。「『発達障害だろうとなかろうと、まず自分と向き合う』という姿勢を考えるようになりその過程で起こる様々な変化」が良い結果を招くということについて、福音の教えでは「御霊は(私たちを導いて下さるお方)わたしたちが悪を行う性癖をもう二度と持つことなく、絶えず善を行う望みを持つように、私たちの中に、すなわちわたしたちの心の中に大きな変化を生じさせてくださいました」(モルモン書モーサヤ5:2)とあります。
    平井さまのメッセージが力強く人に伝わってくるのは御霊と共におられるからだと、再び感じました。ありがとうございました。 -- 岸野みさを 2014-02-13 (木) 07:05:07
  • 平井佑典様

     講演会のリポート読ませていただきました。
     発達障害という障害をみんなが認知することの大切さを感じました。
     以前、お子さんたちが発達障害であるお母さんのお話を聞いて、本人や親の責任ではなく生まれつきの障害であることを学ぶ機会がありました。ニュースの特集では、片付けができないことを悩んでいる女性が発達障害と診断されて、工夫して生活されているのを見たこともあります。
     五体不満足の著者、乙武洋匡(おとたけ ひろただ)さんが「障害は不便ではあるけれど不幸ではない」と書かれていましたが、自分の障害を受けとめて生きるための努力と工夫をされているからこその言葉だと感じたのを覚えています。
     平井先生のお話を読んだときにも同じことを感じました。何事も表裏一体の面がありますよね。長所も短所に繋がることもあり短所も長所に繋がることもある。
     障害も不便ではあるけど他の人がしない工夫や努力、訓練の中で、沢山の経験や創造力、強さを、養っておられるのですね。
    「佑典・8箇条」は発達障害の方だけでなくそうでない方たちにも、とても勉強になるものですね。
     発達障害やその他の障害を持って受け入れられずに苦しんでいる当事者、ご家族のかたや、様々な状況の中で生きているのが辛いと感じている方が、また私たちも「自分の特性を伸ばす自助努力が大切だけど、自分のままでいい」と自分らしく生きることができたら、どんなに希望を抱くことができるでしょうか?
     自分らしく生きていく上で得た知識や経験で社会に貢献し他者の役に立てるよう活動されていることは、それぞれの個性を認め「みんなちがって、みんないい」と感じられる社会を実現していく大きな力だと思います。本当にありがとうございます!
    -- 五児の母 2014-02-14 (金) 11:54:28
  • 平井佑典様
    講演会に行かれず、大変残念に思っています。
    平井様が発達障害であると診断されて、様々な問題を克服される中で、生きるための素晴らしい指針の「佑典・8カ条」を作られました。どの項目も前向きで、これこそ全ての人が生き方として学ぶべきものであると思いました。
     私には5人の娘と12人の孫がいます。その中には発達障害の子供もいます。子供を育てて思うことは、その子の良いところと悪いところを全て合計してみると、障害を持つ子も
    天才も神さまの前に立つと、皆同じだといえることです。
     平井様が「人の役に立てるべし」と言われました。素晴らしいですね。人に奉仕をするとき思いもよらぬ力に引き上げられて、祝福が自分に還ってくるのですよね。私も平井様の8カ条を実践してみようと思います。いつかお会いできるのを楽しみにしながら。
    -- 塚田 淑子 2014-02-15 (土) 11:44:27
  • 平井佑典様
    教えて頂けますか?子供が発達障害ではないかと思われる様々な症状がみられますが、母親がそれを受容したがりませんので、医療機関で受診することもなく、教育相談所に行くこともありません。この場合どのように母親に接すればいいのですか?その頑迷さは母親にも発達障害があるのではないかと周りの人間は心労が重なります。 -- 野草 2014-02-16 (日) 08:26:14
  • 野草さま

    野草さまのお子さんについてで、野草さまのお母さまが、ということですか?

    発達障害の遺伝の可能性は、色々な研究で指摘されたりしてます。私の経験でも、子どもがそう、親もそう、その親も…というご家族は割といるように感じます。
    また、一般論として、障害の受容は時間がかかるもので、ストレスの大きなことです。
    あと、自覚のない当事者は成人になるにつれ、周囲との関わりが難しくなる傾向があるようです。
    そして、発達障害のお母さま、身内や周りのお母さんに方に否定され、傷つかれる方がたくさんいらっしゃいます。たくさん、お話しを聞きます。我が家もそうでした。

    それらを踏まえて、野草様が、ものすごくご苦労されているのではないか、と強く感じました。

    世の中、どんなに明らかな証拠があっても、それを認められない人は多いです。
    発達障害のお母さまは、ややもするととても孤独にまってしまいます。

    それでも、親が冷静でいることは、その子を守るためには、大切なことだと思います。このコメントで、具体的な話は難しいですが、私はそうして子どものために頑張ってらっしゃるお母さま方の味方でありたいと思う立場です。

    とりあえず、お住まいの近くの福祉の児童相談所などを押さえておくのは有効です。
    また、味方になってくれる人を確保しておきましょう。

    すぐに何か解決しなくても、親が一生懸命になってる姿は子どもに伝わります。

    でも、それでもどうしようもなくなったら、私に会いに来てください。
    今はまだ、講演とワークショップや交流会のみですが、直接のご相談に乗れるように、活動を続けます。

    岸野様の記事を読まれた方も応援頂けると幸いです。 -- 平井佑典 2014-02-18 (火) 02:24:06
  • 平井佑典様
    貴重なご回答ありがとうございました。「すぐに何か解決しなくても」とのご指摘でした。私に欠けていることでしたので身に沁みました。「それでもどうしようもなくなったら、私に会いに来てください」と仰っていただき大変心強く嬉しく思い、平井様のご親切とご支援に感謝致します。 -- 野草 2014-02-18 (火) 09:59:44

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