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14100301昼寝ネコ

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2014.10.03 エッセイ「連続と不連続の神学的和解」投稿者:昼寝ネコ

MILONGA - Astor Piazzolla

連続と不連続の神学的和解
 
 
昼寝ネコ
 
 

たまにはゴタクを並べたい

決めた習慣を継続したり、信念を曲げずにずっと
持ち続けたり、なかなか先が見えないことでも
じっと踏みとどまって努力し続けたり。
なかなかできないことだと思う。

人間関係だって同じことだ。
良好な関係だったのに、ある日何かがきっかけで
険悪な状態になったり疎遠になったり、
時と場合によっては、憎しみがずっと
尾を引いてしまう

多かれ少なかれ、誰にでも思い当たることだろう。

数週間前に、ある女性が話すのを聞いた。
いい思い出はすぐに忘れるのだが、
人から受けたひどい仕打ちや言葉は
何年経っても鮮やかにその時の情景を思い出すという。

ああ、逆ならいいのに、と思いながら聞いていた。

裏切られたり、蔑まれたり、心ない仕打ちを受ければ
誰だって嬉しい訳がない。
不愉快で相手の顔を直視したり、心穏やかに
会話や付き合いを続けるのが苦痛になると思う。

つまり、継続していた習慣や人間関係が
時として途絶えてしまうことがある。
あるというよりは、その方が多いように思う。

それが不健康・不健全な悪しき習慣や、
反社会的で好ましくない人間関係なら
逆に、意を決してすぐにでも断ち切るべきだろう。

習慣や人間関係で、「不連続」が発生するのは
一般社会では自然なできごとだと思う。

でもちょっと踏みとどまって想像してみたい。
不連続になってしまった習慣や人間関係を、
今一度忍耐と寛容の気持ちで受け入れ、改めて
連続性のある形状に戻してみる状態を。

これには想像力と洞察力が必要だ。
習慣にしても人間関係にしても、適切な方法で
努力を継続するならば、そこに初めて
成長と改善という成果が生まれる。
そのような視点で捉えられれば一歩前進だ。

人生で一番困難なのは、受け容れがたい対象を
忍耐と寛容によって、つまり顔をそむけたい相手、
もしくは自己嫌悪の対象である自分を
受け入れる心理状態を作ることだろう。

誰しもが腹が立てば相手を避けたくなるし、
習慣を持続するのが苦痛になれば、放棄した時点で
一気に楽になるだろう。

そこで踏みとどまり、自然に湧き上がる感情に抗って、
建設的に一歩を踏み出すには何が必要なのだろうか。

個人的には「神学的和解」しかないと思う。

宗教を持つ人も持たない人も、誰にでも
その心深くには、この「神学的和解」を
呼び覚ます潜在的な特質が埋め込まれている。
と、神学者でもなんでもないが、そう感じている。

無神論者、キリスト教徒、仏教徒、さらには
イスラム教徒、ヒンズー教徒のどの領域でも
この「神学的和解」というイメージを
大事にすべきではないか、と思うようになった。

人によっては、「無私の私」や「御仏の慈悲」など
表現方法はなんでもいいと思う。

特攻隊の生き残りで、元朝日新聞の記者の方が
「今の時代は宗教でなければ救われない」
と、真剣な表情でおっしゃったのが印象深かった。

来年の、いわゆる「2015年問題」といわれる
国内外の懸念材料を指摘する人たちが多く存在する。

どれだけの頭脳と情報を持ち寄っても、
いつどこで何が起きるかを完全に予測することは
困難な時代を、私たちは生きている。

なぜなら、どこの国にも機密事項があり、また
マスメディアには報道する自由もしない自由も、
場合によっては虚報、捏造情報を流し世論操作する
余地も、十分にあることを、残念ながら
国民の大部分が知ってしまったからだ。

なので、知識としての情報以上に、感性による洞察力が
これからの個人にとって必須アイテムにとなると、
ますますそのように確信を深めている。

おお、今日は最後まで大まじめだった。
 
 
 

  • 昼寝ネコさま
    いつも大真面目なのではないのですか?
    「隣人を愛せよ」との教えですが日本の隣人(国)とどのように付き合っていけばいいのでしょうか?  -- パシリーヌ 2014-10-03 (金) 22:40:03
  • パシリーヌさん
    なかなか難しい質問ですね。私は政府要人でもないし、外交官でも軍人でも、さらには情報部員でもありませんので、現実の大変さは想像の域を出ません。ただ、国家と個人とでは自ずと接し方は違って然るべきだと思います。相手にも公的な立場と私的な立場がありますので、その両方を視野に入れる必要があるという意味です。現に、国家元首同士が会談に臨む際、お互いの人間的信頼関係が築けるかどうかがキー・ファクターだと思います。かつてのサッチャーとゴルバチョフがそうだったようです。つまり、サッチャーはゴルバチョフに信頼を置いたと何かで読んだことがあります。国家元首ともなると、短時間の会話で相手の性格や人格を洞察できないと、とても務まらないということですね。改めて、大変な世界だと思います。 -- 昼寝ネコ 2014-10-04 (土) 00:15:39

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