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2017.03.25 穀粒記者レポート・『少年たちの群像(5)』投稿者:岸野みさを

小学5年の娘が「今日は具合が悪いので学校休む」と言うので、パパが「どこが悪いの?」と心配して聞くと「がん」と言う。「どこのがんなの?」と更に聞いてみると「乳がん」と言ったそうだ。結局風邪だったようだ。

月曜日に全校生徒で卒業式のリハーサルをやったそうだ。お姉ちゃんの友達が卒業証書を受け取る時、思いっきり大声で「ハイッ!」と言ったので妹は笑いをこらえるのに大変だったという。

習字で「新年の空」と書いて初めて金賞を貰った小学5年の娘。今までは銀賞だった。黄色の紙に金賞と書いてある。もう一つ上のランクは赤い紙に金賞と書いてもらうそうだ。
「目標があっていいじゃない」とは爺のセリフだった。

 卒業式のリハーサルで「ハイ、ストップ」がなくなって本番さながらにやるとき、皆、廊下で待機していたのだが、べちゃくちゃ喋り過ぎで先生に叱られた。シーンとなったところへ4年生の男子がふざけながら階段を降りてきた。と、スッテン、曲がり角で転んでしまった。皆ドット笑った。そこへまた階段から降りてきた男子が、今度は並んでいた6年生の半分くらいに頭を下げて「こんにちは」と挨拶をしたのだという。何の挨拶か?と話を聞いていた爺は思ったそうだ。

 6年生の娘の親友には彼氏がいるのだという。丸坊主で顔が不細工だか、柔道の県大会で2位になったそうだ。彼が親友の側を通ると親友は「はぁ~かっこいいわぁ~」とため息交じりにつぶやくと、それを聞いた皆は「キモイ」とつぶやくのだという。

 給食でみかんの半分が出た。それを床にベタッと落としてしまった友達にM君は自分の分の半分をあげたという。では友達は一つのみかんの何分の一を食べたことになりますか?と、ママの質問だった。M君は2分の一と答えた。ちょっと待って、一つのみかんの何分の一?その話を聞いていたばあは、自分の分を分けてあげたことをいつほめるの?

 ボーイスカウトの誓いは次の通りだ。
•神(仏)と国とに誠を尽くしおきてを守ります。
•いつも、他の人々をたすけます。
•からだを強くし、心をすこやかに、徳を養います。
中学2年のA君は「安息日を守って神に忠誠を誓います。天皇陛下のお誕生日と新年の一般参賀に行って国に忠誠を誓いました」と発言したという。おぉっ!

今日は小学校の卒業式。不登校だった少女も出席したので93人全員が卒業できた。その子は小学4年生頃から場面緘黙ではないかと言われていて、家族や友達とは普通に話ができるし、自分の主張も言えるのだが、授業中や知らない人には声を発することができない。卒業証書を校長先生から受け取る時、口を大きく開けて一生懸命「ハイ」と言っているが声が出て来ないのを来賓席にいた父兄が見ていた。その姿に校長先生は涙を流してしまい父兄たちも泣いたのだという。これからも特別な扱いではなく、その子が発語できるように十分な配慮と支援が必要だと思う。

卒業式は着物と袴にしようね、と友達と決めて臨んだ二人は中学校が別々になるので別れなのだが、まだ実感がないようで「またね」と笑顔だった。もう毎日会うことはないし、一緒に勉強したり、遊んだりすることもない。その時が来なければ本当のことは分からないままで……それでいいのだ。


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