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2017.12.22 穀粒記者レポート・『「少年たちの群像(13)」』投稿者:岸野みさを

 エクセレンスの発表があった。少女たち10人中10人それぞれが個性的な発表の場となった。熊のぬいぐるみに各自が洋服を作って着せる活動で、ドレスやジーパンなど自分が小さなころ着たものや親の古着をリフォームして製作したそうだ。熊のぬいぐるみに「キャサリン」などと名前をつけて、ある少女がつけた名前は「メリー 熊スマス」だった。

 学校推薦で高校へ入学予定の少年に「後は面接だ」と言った先生が「街宣車で乗り付けなければ大丈夫」と付け加えたそうだ。少年は旭日中学生という名前でブログをやっていて400人くらいからいいね、をもらったことがあるという。それは「安保法制反対ってなんだかなあ」というと同じ先生が「自分で調べて考えなくては」を掲載したときのことだという。

 同じ少年は子どものころ機関車トーマスが大好きだった。「昔、機関車、今戦車」とからかう大人がいた。侮蔑的であった。戦車=戦争という方程式なのだろうか。

 ある少年はサンタさんがいると信じていた。クリスマスが近づいたある冬のこと貯蔵庫で欲しかったプレゼントを見つけてしまった。「そうか!」親がサンタさんだと分かって少しがっかりしたそうだ。

 ある高校生はスマホを持って登校して、それが見つかり先生が取り上げると震えだしたそうだ。異変に慌てた教師は親に電話を入れると「すみません、依存症なんです」学校も規則だからその子だけ例外扱いにはできなかった。

 「おばあちゃん、ママ安息日を守らないでどこかへ行っているよ。教会へ行くように言ってよ」「そうだね。でも政治活動で出かけちゃったのよ。どこへ行くのか聞いていない?」「聞いている」「そっちも大事だし、『安息日を清くしなさい』とは主の教えよね。でも、選ぶのは本人だから、自己責任になるのよね」と婆が言うと「私は一緒に教会へ行きたいだけなの」と言う。「婆も同じよ」と言いたかったが言えなかった。ママはある政治団体の東京支部の代表になったのだった。男性役員が5人もいるのに何故か…。

 クリスマスディボーショナルのお話を家族で視聴した後、話し合いになった。クリスマスに2番目の妻に恵まれた話についてだった。中1の娘は「そんなのヤダ。知らないおばさんがママになるなんてヤダ」小6の妹も「ヤダ」という。「でも赤ちゃんを育てなければならないんだよ」と言うと「おじいちゃんおばあちゃんに頼めばいいじゃん」「頼めなかったら?」「兎に角私はそんなのヤダからね」末の男の子は終始無言。パパは「分かったよ。分かった」


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