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2021.03.06 穀粒記者レポート「推薦図書 天皇を救った男(2)」投稿者:岸野みさを

東京裁判に於ける「aggression」の日本語訳

スティーブ・鮫島著「天皇を救った男」を伊丹明のご子息から紹介された。

伊丹はワシントンDCの陸軍戦時局情報部が1945年9月2日迄に得た日本の統帥機関が発した公文命令書、皇室典範書類、規定条例など4000部にのぼる参考資料を25000に分類して英文で体系化し各方面からの求めに応じた。

彼は東京裁判に於いて「ランゲッチ・モニター」を勤めた。それは通訳をチェックし必要に応じて修正する職務である。

(以下本文P、377)かなりの量の判決文であったが、それでも一部でしかなかった。届けられた判決文は早速、各班に分けられた。翻訳班はにわかに忙しくなったが、伊丹はその中で、法廷であれほど通訳の訳し方が適切でないとストライクを押したにも拘わらず、全く変えられていない箇所を見つけ愕然とした。何のための訂正だったのか、と腹ただしくなり、GHQやアメリカ陸軍は日系人モニターや日本人通訳を信用していなかったのかと憤慨した。

裁判である通訳が「aggression」を中国への「侵略」と訳したが、伊丹は「侵略」という言葉は適切でないと考えた。日本の大陸への侵入は、人民への略奪を目的にしたものではない。そこには北からの侵入に対する「自衛」の目的もあり、日露戦争が起きた原因もそこにあった。だが、ソ連の検事は、既に決着が付いている日露戦争まで遡り反論してきた。日本の中国への侵入は「侵略」ではなく「侵攻」が適切ではないかと、その部分の訂正を求めたのであった。
(詳細は 2015.4.16 穀粒記者レポート 推薦図書「天皇を救った男」にあり)


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