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2022.11.12 詩・散文「方言詩 さいなら」 投稿者:徳沢 愛子

さいならは 嫌だ
さいならは心のどこかをもぎとっていく
さいならは心のどこかに赤い穴あける
      胃潰瘍の穴みたいに
さいならは淋しい言葉
      その口はすでに震えている
さいならは枯葉散る小道
      ともの囁やき残いて
さいならは誘拐犯 よくもま
      黒髪光るわての妹を
さいならは涙と友だち
      仰げば尊しと共に
さいならはあちらへ逝った両親に
      満面の笑顔を
さいならは花の、海の、風の手招き
さいならは小鳥のように
      至る所にそっと止まってる

さいならは力持ち
     腑抜けのあんたに力の注射
さいならはいくつもの物語
さいなら 浴びて
さいなら この世を抜きて高く
光るしぶき まきちらし
さいならは 微笑んでいる
いいかっこしいの希望連れて

(日日草 76号より転載)

  • ありがとうございます。 -- 塚原俊英 2022-11-13 (日) 06:20:26

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