14021602森のたぬき
2014.02.16 創作短編「今は昔の物語」 投稿者:森のたぬき
今は昔の物語
―ママの38歳のお誕生祝いに捧げるー
森のたぬき(当時8歳)
むかしむかしあるところに小さな村がありました。その向こうの山に山んばが住んでいました。まい年お正月になると村の人たちは山んばにもちを持っていかなければなりません。
こ年はげんたとごんたがもちをかついで行くことになりました。えっさえっさと田んぼ道をとおって行くと、むこうにたぬきが見えました。ちかづくとそれはおきものでした。とおりすぎようとすると「あばたかバーカ」という声がしました。ふたりはたぬきのほうをみて「ギャー」といいました。たぬきがいなくなっていたからです。
げんたとごんたは歩きつづけました。橋をわたって林をぬけてさか道になりました。二人はかついでいたもちを、ふろしきにつつんで、せおいました。
そして、ようやく山んばの家につきました。「ごめんください」すると「はーい」という声がきこえました。出てきたのは大たぬきでした。ごんたはたぬきにもちを食べられるかききました。よこでげんたが「このもちは山んばにあげるのだよ」とちゅういしました。すると「ちょうだい、ちょうだい!」と子たぬきがとびだしてきました。「あっ、さっきのおきものだ」「ぼくはおきものじゃないよ、本ものだよ」するとげんたがいいました。「なんか、おかしいと思ったよ」大たぬきがいいました。「ちゅうもんしたもちが、ようやくついたんだ」げんたはびっくりしていいました。「えっ、君たちが山んばだったの?」「山んばというかたぬきというか、くべつがむずかしいよ、ま、いいから入ってね」二人は中に入っておぞうにをつくりみんなで食べました。30ぷんくらいやすんで「そろそろかえらなくちゃ」というと大たぬきが「ちょっとまって」といいました。
大たぬきが持ってきたものは金のまきものでした。二人は「ありがとう」といいました。村へ下って行くとばしゃがむかえにきていました。ぶじ村にとうちゃくすると二人はまきものの中をあけてみました。まほうのまきものかと思いましたが、中を見るとたぬきごがいっぱい書いてありました。「あばたかバーカ」
「あがあが」「はがはが」とか。そしてわけのわからないもじがありました。
「WII、WIIかって」「DS、DS」ふたりは村でこのことばのわかる人のききこみちょうさをしました。そしたら村のちゅうおうにある家のおばあさんが「知っているよ」といいました。そして「こちはこちで、あちはこちだよ」といいました。二人はわかったといいました。みなさんこのなぞなぞはなあに?
- ふしぎな物語ですね。でも、読ませる物語でした。 -- 昼寝ネコ 2014-02-16 (日) 22:44:28
- 森のたぬき様
これはすごいプレゼンでしたね。この物語を書いてWIIもDSも手に入れたのですか? -- パシリーヌ 2014-02-17 (月) 07:29:09 - 村の中央にある家のおばあさん、すごいですね。きっと、たぬき語だけではなく、いろんなこと知ってますよ。 -- アイスココア 2014-02-19 (水) 12:57:22
- 森のたぬきさま
たぬき語ってすぐ覚えられそうですね。このおばあさんの名セリフ使ってもいいですか?「こちはこちで、あちはこちだよ」物語の面白いこと100点満点! -- 森の友だち 2014-02-19 (水) 13:22:50 - 皆さま
コメントありがとうございます。意外と好評で嬉しいです。実はマンガの黒と白の戦いが
行き詰っていたので、前に書いた文章を出してみました。 -- 森のたぬき 2014-02-19 (水) 19:34:43 - 森のたぬき様
学問の神様といわれている菅原道真(すがわらのみちざね)について勉強しましたか?
「こち」で彼が詠んだ和歌を思い出しました。「こち(東風)吹かば匂いおこせよ梅の花
主(あるじ)なしとて春な忘れそ」
菅原道真が失脚(しっきゃく)して大宰府に左遷(させん)されるときに日頃愛していた庭の梅の木に別れを告げたときの句だそうです。
春になって東風が吹いたならその風に託して梅よ、お前の香りを送ってくれ。私がいなくなったからといって春を忘れてくれるな、という意味です。
たぬき語の「こち」の意味を教えて下さい。
-- 森のともだちの友 2014-02-20 (木) 18:10:28 - 森のともだちの友様
「こち」のいみは森のたぬきの学校で勉強してください。 -- 森のたぬき 2014-03-02 (日) 20:21:53 - 森のたぬきさん、楽しいお話ありがとう。あっち、こっちと言う言葉は、たぬき語だったんですね!私もたぬきさんのお雑煮ゴチになりたいです。また楽しいお話、待ってます。 -- 森の踏まれたどんぐり 2014-03-02 (日) 21:08:28