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2017.12.06 エッセイ「モミジに心惑う心地よさ」 投稿者:歩く人

画像の説明

 緑の樹木、みどり一辺倒の公園、街路、川辺、里山、高原、山々… 新緑の頃は目に麗しく遠くに青い山脈を眺めては、あの向こうは… 山の彼方の空遠く、未知の山里の風景に想いを抱く。美しい樹木に敬意の気持ちが湧いてくる。美しき日本に感謝の気持ちが湧いてくる。素晴らしき自然の宴ではある。
 しかし四季が巡り、やがて秋、次代の準備を始める落葉樹はハラリはらりと、一枚いちまい葉を舞い落とす。その木の葉が落ちる前に緑葉は鮮やかに紅葉・黄葉に変身する。11月中旬から12月上旬、彼方西の谷あいの山里から此方府中を経由し彼方東の都心まで、紅葉の王様モミジが艶やかに、それははっとする心と脳裡に響く輝きである。モミジを訪ねて幾千里、いや私は近場の山里、近隣の庭園、公園、神社、お寺… 趣味のウォーキングにカメラを持ち歩いているうちに撮ることも趣味になって、撮るためにあちらこちらへ出かけ歩き回ることが、結果としてウォーキングだったと、心身に心地よいリフレッシュとなっている。
 カメラを持って行かなければ、その美しさは脳裡に残り、歳と共にかすれていき、いつかは忘れたあの日の紅葉かもしれない。撮ることで、それは自身だけでなく、こうして穀粒の読者はじめ皆様に観ていただけるのである。私がこの世を去っても残る写真に時は流れることがないのでしょうか。
 写真は都立「殿ヶ谷戸庭園」の一景。国分寺駅すぐ傍にあり電車、バスで容易に行ける。最盛の紅葉時は庭園に入って中へ進むと、見事にはっとするモミジの輝き。園内に広がるモミジの連なりをそぞろ歩けば、天女が舞い降りてくるかと思わせる絶景にしばしたたずむ。巡りくる一年いちねん、友と、家族と、一人で、毎年観に行きたい庭園なのである。

  • 人の手によって大切に整備されている庭園の美しさは、また、異なる趣がありますね。紅葉も満足気ではないでしょうか。紅葉といえば良寛和尚の辞世の句を思い出します。
    「裏を見せ表を見せて散る紅葉」裏を見せても散る紅葉は美しいのでしょうね。自分もそうなりたいのですが…。 -- 岸野みさを 2017-12-07 (木) 10:19:12

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